おかえり、はやぶさ。 [イラスト]
本日23時帰還予定@常磐です。
『HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-』観てきました。
一番近い上映館(プラネタリウム)が府中で、片道1時間半掛かったけど(゚ε゚)キニシナイ!!
行ってからDVDが通販されていることに気づいたけど(゚ε゚)キニシナイ!!
しかし改めて思ったけど全視界がスクリーンで覆われる「プラネタリウム」って素晴らしいよね。
座席がゆれるとか、映像が飛び出すとかそういう物理的・映像的手法は一切ないにも関わらず
まるで自分自身が宇宙空間に漂っているような感覚はここでしか味わえないと思いました。
ぶっちゃけ、3D映画なんかよりよっぽどこういうのを増やした方がいいと思うのにね。
さて、肝心の作品についての感想ですが…いや~なかなか良かったですv
ナレーションがやや情緒的すぎるのと、「はやぶさ」のこれまでの苦難やそれに対する
研究者サイドの必死のリカバリがかなりはしょられていたのは残念でしたが、
地球とイトカワ(小惑星)という互いに動いているもの同士を結びつけることがどれだけ困難な
ことなのか、それを実現するためのスイングバイ作戦、そして7年と言う長い旅路における
「はやぶさ」の孤独な戦いなどが分かりやすく描写されていて上映中感心しきりでした。
特に地球の重力を利用して加速する「スイングバイ作戦」では、宇宙空間に限定された
航路が表示され、その中をまるで針の穴を通すような(宇宙空間の広大さを考えれば
そんなレベルじゃないはず)精密さで駆け抜けて行く「はやぶさ」の軌跡に感動するとともに
それを実現させた日本(だけじゃないだろうけど)の技術力に驚嘆してみたり。
メインシステム3つのうち2つを全損しながらも何とか目的地「イトカワ」まで到着。
探査機「ミネルヴァ」の上陸失敗(これは描写されなかったけど)とおよそ2ヶ月の調査ののち
遂に「はやぶさ」本体がイトカワに上陸――を試みるも失敗、一時消息不明となる。
2度目のタッチダウンで上陸成功、即時離陸するも、前回の失敗で致命的な燃料漏れが
発生により姿勢維持困難、その上通信が完全に途絶え、帰還は絶望的と思われた。
しかしそれから2ヵ月後、微弱ながらも通信が回復、燃料はほぼ失われたものの
太陽光パネルで充電しつつ(この辺なんかいろいろあったらしい)、何とか帰還態勢へ。
それから約4年後のつい先日、最後のイオンエンジンを噴射し、地球への帰還が確定したとのこと。
今ごろ(13日正午現在)はすでに月よりも地球に近いところにいるらしいです。
そして本日23時10分ごろ、最期の力で帰還カプセル(イトカワのサンプル)を排出し、
自らは大気圏で燃え尽きる予定だそうで…。
それを聞いたらいても立ってもいられなくなって描いたもの
映画ではその事実は言葉では説明されず、ただ爆発して四散して行く「はやぶさ」の映像だけが
描写されていて、その静かさがかえって切なくて胸が痛くなりました。
もうすぐ帰ってくる「彼」には心から「おつかれさま、ありがとう」と言いたい、
そんな気持ちにさせられる40分でした。
- - - - -
映像作品としては擬人化の手法といい、「はやぶさ」のデザインといい、「Wall-E」を彷彿と
させるような内容でしたね(まあCGの出来に関しては段違いですが)。
ニコ生待つ間暇だったんで描いてみた
しかし多少壊れても立て直せる頑丈さや、何度失敗しても諦めない健気さ、
そしてスイングバイの針の穴を通すような繊細な航路を実現する生真面目さなど
いろんなところがウォーリーのかわゆさとダブって感情移入しまくりでした。
(一回目の上陸時、イトカワの地表で起き上がろうともがくはやぶさの姿にはキュン死した)
あと、個人的にはメインのイオンエンジンが地上では紙一枚程度しか動かせない推力なのに、
重力や空気抵抗のない宇宙空間では主力の推進力となるのがなんとも不思議で
地球上の科学的常識なんて宇宙の前では何の意味もないことを思い知らされました。
ちなみに、イトカワへ向かうまでの数々のトラブルや、それを何とか別の方法で
リカバリしようとする地上部隊とのやり取りに関しては、こちらの動画が詳しいかと。
また、今夜の「はやぶさ」のイメージをミクのMMDにより擬人化した動画はこちら。
どちらも非常に素晴らしいので、ぜひ見て欲しい作品です。
で、見終わったら、今夜23時、少しでいいから空を見上げて「彼」の無事を祈って欲しいですね。
そして一言、「おかえりなさい」と言ってあげてください。
<23:00追記>
和歌山大のライブ映像よりキャプチャ
と、はやぶさが最期に見た映像(@jaxa)
おかえり、お疲れ様、そしてありがとう、はやぶさ。
それでは。
2010-06-13 14:26
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