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週刊少年ジャンプ13号感想 [WJ感想2010]


ようやく『消失』を観てきました@常磐です。


前売りを買ったせいでネット予約が出来なくて当日映画館に行ったのですが、
上映館数が少ないからか、それとも日曜だったからか、
もう公開も4週目になるというのにまだまだ混んでました。

内気長門や世界が変わっても変わらないハルヒ、大小みくるがかわいいのはもちろん
今回微妙に蚊帳の外でちょっとかわいそうな古泉と、一歩間違えたら変質者のキョンと
ところどころEEを髣髴とさせる描写、と見所はいろいろありましたが

やはりこの作品中で一番すばらしかったのは


100302_2.jpg朝倉さんです。


登場人物を真綿のような優しさで包む異常さの中で、唯一明確な敵意を持つ存在。
彼女の存在があるからこそ、この物語に緊張感が生まれるのではないかと思う。

それにしても見事に「原作どおり」な内容でしたね。
いや下手に原作と違っても困るんですが、既読派にはあまりドキドキがなかったのが残念。
しかし未読派が後半の情報過多な展開に着いていけるのかというとまた疑問で…。
(原作読んだときも初見では時系列が全く理解できなくて何度も読み返したし)


それで、『驚愕』はいつ発売されるんですか、今週のジャンプ感想です。





■■■週刊少年ジャンプ13号感想■■■

【新連載】『詭弁学派 四ツ谷先輩の怪談』

■表紙&巻頭カラー

読切掲載時、主人公の印象を「絶望先生とネウロを足してムヒョで割ったような」
表現しましたが、連載するにあたり「先生」という属性が消え、「怖がりながらも離れられない
女生徒」の立ち位置が微妙に変わってしまったせいか、ムヒョ成分が前面に出た感じ。

思えばムヒョも始まったばかりの頃は「久々の本格ホラーktkr」と期待したものですが、
連載が続いていくにつれ、ネタ切れかテコ入れかそれとももともとそのつもりだったのか
「魔法」を使った能力バトルモノとなってしまった時には心底がっかりしたものです。

まあ同じくホラー風味から始まったものの、いつの間にか「病魔ToLoveる」とも思える
短編完結コメディになった「保健室の死神」はそれはそれで面白いからいいのですが。
(そもそもホラーというイメージのある作家じゃないしね、藍本先生は)

で、何が言いたいかというと、古館先生にはぜひともこの路線を貫いてもらいたいなあと。
とりあえず今の時点で私がこの作品に望むことはこれだけです。



■本編

作品タイトルにもなっている「詭弁」…ここ最近(マスコミ関係などで)よく聞く言葉ですが、
せいぜい詐欺師やインチキ宗教家などが用いる理論武装としか認識してなかったので
この際せっかくだから正式な意味を調べてみよう、とwikiで検索してみました。

詭弁(きべん、sophism)とは、しばしば説得を目的として、
命題の証明の際に実際には誤りである論理展開が用いられている推論。

日本では「詭」が漢字制限により当用漢字・常用漢字に含まれないため、
新聞などでは奇弁、論理学などでは危弁と書かれることもある。

えーと、つまり、作品中に出てくる四ツ谷先輩の言葉は全て嘘っぱちってことかな?
…と思ったら解説はさらに続いていて、

日本語で日常的に使われる「詭弁」は、誤りである論理展開を故意に用いて、
発言者に都合良く導き出された結論、およびその論理の過程を指す。

論理展開が明らかに誤っている場合もあれば一見正しいように見える場合もある。
そして論理展開が正しいように見える場合、誤った結論でも説得力が増してしまう。

発言者の「欺く意志」があってこその「詭弁」であり、
必ずしも意図的にではなく導かれる「誤謬」とは区別される。

ああなるほど、つまり「詭弁」というのは、ある一つの事実から導き出される結論を
様々な論理展開を使いこなして自分の都合のいいように創り上げること、ですか。

たしかに今回の冒頭でも「3本足のミカちゃん人形」という一見すると笑い話のような噂から

「3本足」

「三肢」

「四肢に一本足りない」

「足りない”脚”を探してさまよう人形」


と見事に彼の独壇場である「怪談」に摩り替わっていますし、
ラストで四ツ谷先輩が針子先生を追い詰める手段に関しても、

「ミカちゃん人形と3人の少女は手足が一つずつ足りない」

「だから針子先生の両手足を求めてやってくる」


いうのも因果応報をさも真実であるかのように語る詭弁…になるのかな?


まあこのへん論理学をやったことのがないのでうまく説明は出来ないのですが
普通に後ろめたい事している人が論理的に追い詰められたらそりゃ動転するよね。

一般的なホラー系作品だとそれで開き直った犯人が一番怖いものですが、
(その描写をとことんまで先鋭化したのがネウロの犯人豹変シーンかと)
この作品の場合、追い詰めている側の四ツ谷先輩の方が怖いというのが面白いところ。


「火のないところに煙は立たず、噂には元ネタとなる”真実”が存在する」を軸に
くすぶり続ける「噂」を、四ツ谷先輩が詭弁を弄して「怪談」のレベルにまで燃え上がらせ、
恐怖と焦燥で我慢できなくなった”真実”を燻りだす…という感じですかね、この作品は。

一定以上のクォリティを保って連載するにはそれなりに珍しい「怖い話」のストックが
必要となりそうですが、「三度のメシより怪談が好き」との事なんでそれなりに期待してます。

くれぐれもバトル化になどなりませぬよう…( - 人 - )ナムナム




『SAKURA』

■ナルトの結論

「お前を殺したくない」と大見得を切った割には、サスケの一撃を万華鏡で防いだだけで
スタミナ切れを起こしているカカシ先生の口だけっぷりには相変わらず笑うしかないw

ナルトもあれだけいろんな人に「考えろ」「決断しろ」と言われ続け、サスケの憎悪の理由や
サクラの決意を聞いて過呼吸になるほど悩み、ヤマトの制止を振り切ってまでサスケに
会いに行くのだから、当然彼の中である程度の結論はあるのだろうと思いきや


ナルト「会えば…会えば答えが分かる気がする」


だめだこいつ…早く何とかしないと…いやなんとかしても…もうだめだ…orz



■サクラの決意

そしてこちらはもう「ダメ」がデフォルトの状態であるところのサクラ。

思えばサクラが「私がサスケ君を殺す」と決意した時点で、サクラがにサスケを殺すことが
(手段にしても覚悟にしても)出来ると考えた読者はほとんどどいなかったと思いますが、
サスケがカカシに気をとられ、さらに写輪眼の使いすぎによる目の異常を起こしているという
おそらく2度とこないだろうチャンスを前に、彼女のとった行動は…


サクラ「覚悟…したはずなのに…」


( ノ∀`)'アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \


なんかもう…予想通り過ぎて笑うしかないよ…。

このまま忍者としての役目も果たせず、元仲間としてのけじめもつけられないならば、
いっそ「悲劇のヒロイン」として愛するサスケの手で殺されてしまえば
最後の最期で彼女の存在意義が生まれるだろうとそれだけを期待したのですが――


ザ  ッ


それもまた主人公の”活躍”により叶うことはありませんでした。

サクラはどこまで落ちていけばいいんだろう。
サクラはどこまで落とされ続ければ救われるのだろう。
いつになったらサクラに「足手まとい」以外の評価が付けられるのだろう。

そんな日は永遠に来ないと知りながら、いよいよナルトvsサスケ最終章(希望)です。




『BLEACH』

藍染サマ、まさかの「こんなこともあれば」キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
鏡化水月ってだけでも十分チートなのに、ザエルアポロやマユリ並みの後だしジャンケンとか
きたないなさすが藍染きたない。

しかしこのまま流刃若火を発動させていれば一護以外の周囲の死神全員をまとめて倒す
ことが出来る絶好のチャンスだったのに、それを止めたということは、やっぱりここにいる
藍染は本物の藍染だったってことになるのかな?

それが分かっただけでも今週の攻防には意味があると思いました。




【センターカラー】『LOCK ON!』

うーん、2週目にして早くも内容が微妙だぞ…。

先週謎のままに終わった彼の右目の秘密は単に動体視力が良くなるとかいうものではなく
「見たもの全てを覚えて完璧に記憶する」シャッターアイと呼ばれるトンデモ能力らしい。
てか能力使いすぎると鼻血ってそれ一体どこのサイレ(ry

早くもパンチラ(?)を出して特定読者を掴もうとしたのはいいけど、
そこから繋がるオチが弱すぎて正直拍子抜け。

てかもうカメラとか関係なくね?




『家庭教師ヒットマンREBORN!』

■バカってゆったほうがばかなんだぞ!


ツナ「見てくれが変わっただけじゃ勝てないぞ」
白蘭「誰が見てくれだけだって?」
ツナ「まだ序の口だぞ」
白蘭「なら僕は序の序の口さ!」
ツナ「序の序の口とはまんざらでもないみたいだな」
白蘭「君もだ綱吉クン…まさかここまでやるとは…」


小学生の口げんかですか君たちは。



■ロリコン、愛に死す

そんな頂点2人の戦いの中、命を賭しておしゃぶりを目覚めさせようとするも
直前で死への恐怖が勝り、うずくまってしまうユニ。
そこに現れたのは、もう存在すら忘れかけていたイケメンロリコン。

これはまさか「俺の命をやるからお前だけは」という展開かと思ったら、


γ「あんたを一人にはさせない」


という言葉とともに彼女を抱きしめ、彼女もまたそれを受け入れ、共に消滅する2人。
消える寸前のユニの表情は直前のそれと違い、心からの幸福感に満ち溢れていて――

すげえ、すげえよγの兄貴…一人の命ですむところ二人で一緒に逝きよった…!
彼女の意思を曲げることなく、かといって自分の命を引き換えにするわけでもなく、
一人で逝くのがさびしくないようにと一緒に笑って死ぬ道を選ぶなんて…!

ロリコンという言葉では表しきれない漢の生き様(この場合死に様か)を見た。




『HUNTER×HUNTER』

「どんなに個人の能力が秀でていても核の前じゃ無力じゃね?」という
いわゆる現代を舞台にした作品の中ではタブーとも言える疑問にずばり切り込んだ回でした。
あいかわらず冨樫先生はこういうところに躊躇しないよな。

蟻の王はヒトの心を知り、ヒトの進化を見つけ、ヒトと共存する可能性を望み、
しかしヒトはそれを拒否し、圧倒的な「悪意」を持ってその心を破壊する方を選んだ。


言葉で表せばこれだけなんだけど、それの意味するところはとてつもなく重い。
わずかに見えていた彼らとの共存関係の可能性は完全に絶たれてしまった。
もう彼らの戦いは「ヒトと蟻、どちらかが完全に死滅する」まで終わらない。

炎熱地獄うずまく爆心地でユピーが見たものは、希望の欠片か絶望の証か。
出口の見えなかった戦いにもようやく「終わり」が見えてきたようです。


て言うかね、なんかもう、本当、すごいショック受けてます、私。
ある意味先々週エースが死んでしまった時よりもショックかもしれない。

ユピーとナックルが奇妙な関係ながらも何となく通じ合うものを感じさせ、
心を失ってしまったはずのパームがキルアの必死の訴えに眼を覚ましたことで
「”心”が解決の鍵になるのかな、でも冨樫先生にしてはセンチメンタルすぎるかも」
なんてことを書いていましたけど、スイマセーン、ボク…冨樫先生ナメてマーシタ。

まさかあそこまで歩み寄りの描写をしておいてこんな形で決裂させるなんて。
人間の「悪意」の前では王の「慈悲」など吹き飛んでしまうような軽いものだったなんて。

王の死(まだ未定だけど)よりもネテロの自爆よりも
ネテロにその決断をさせた人間の「悪意」のほうがよっぽど恐ろしかったです。




『保健室の死神』

はいはい今週はエロスでブリリアントでスイーツ(笑)な針子先生ですね。
手足がないのは四肢を集めて完全な一体の病魔になるためかな?


100302_1.jpg
参考:エロス(et ペルソナ2罪)
※別に藍本先生のパクオマージュを指摘したいわけじゃないのであしからず


しかし今週は何となくいろんな作品がクロスオーバーしている気がするなあ。




『賢い犬リリエンタール』

■ジャガーの手前

な、んですかこの掲載順は…!?

いやそりゃ確かにあんこくまじん編の半ば辺りではさすがにだれてきて
アンケ出さなかったりもしたけど、まさかたったの数週でドベ1にまで下がるなんて…!
妙に核心に迫る展開もそうだけど、ヤバイ…これはヤバイ…気がする。



■兄幼少時代

しかしてつこが父親とジャングルでワイルドな幼少時代を送っていたのとは対照的に
兄は母親と外国大学の研究室でインテリジェンスな幼少時代を送っていたのか…
なんかますます日野博士夫婦の人となりがよくわからなくなってきたぞ。

この作品のことだから悪人じゃないんだろうけど、一般的な親という感覚からは
かなりずれた人間なんだろうなあ。

相変わらず表情の読めない兄ですが、最後のコマの彼はかっこ良かったです。
頑張れ日野兄! てつことリリ犬とこの作品のために!





- - - - - - - - - -


今週は以上。


しかし今週は妙に作品間のシンクロ率が高かったような気がしますね。


あるおじいちゃんが自爆技を防がれれば、別のおじいちゃんが王とともに自爆。

愛するものと共に死ぬことを選ぶロリコンがいれば、
愛するものを殺すことも救うことも出来ずにただ泣くだけの少女忍者がいて。

四ツ谷先輩が動くはずのない人形をさも動いたかのように見せかければ
ビューティ田村宅では何の説明もないままに勝手に動く人形たちがいて、
そのころ保健室では尻が巨大な針子になった病魔がブリリアントにアートを展開。

平凡を嫌う平凡な少女が平凡な日常を捨てたくて天才に改造手術を望めば、
平凡な世界に生きる天才たちが不思議な犬をめぐって平凡を破壊する。


そんな今週のジャンプ感想でした。


それでは。





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コメント 6

ikajyu

本当にサクラって口だけですね・・・
やはりナルトにあれほど言ってたのに自分が
優柔不断じゃんってつっこみたくなるのは私も同感です。

by ikajyu (2010-03-03 12:33) 

シン

フォルトゥナとヘルズエンジェルは分かりましたが、エロスは気づきませんでした。最初はあからさまなアトラスパロはなんだかなーと思ってましたが、最近は一周回ってアリかなと思うようになりました。

王はまだ死んではいないものの、瀕死の重傷と負っていると思います。

ピトーに治療させるかどうかでまた一悶着起きるかもしれません。

ただ惜しむらくは続きがとても気になるのに後数週間しか連載されず決着が完璧につくとは思えないところでしょうか…
by シン (2010-03-03 16:56) 

ムクロン

>SAKURA
弟に連s…いえ、もう
2人とも◯んで良いのでは?と本気で。

>RBEORN!
幻騎士さんの出番が消えて(アニメも)<引きずり過ぎ
ところで…き…?何でしたっけ?最強とか言っておきながら
存在感が”空気”になっているき・・・?は。

>ハンター
ゼノはこの事を知っていたのか…
ともあれ友が一人減ってしまいましたね…

>保健室
このネタ数年前テレビで話題になったような・・・?
裁縫は興味あります(アラミド繊維を用いた裁縫)
by ムクロン (2010-03-03 22:06) 

常磐

コメントありがとうございます。

>ikajyu 様
「カカシ先生に重荷を負わせない!」→「やっぱりできないよ」のコンボには
どうせ失敗するだろうと思っていた自分でさえ呆れましたね。
まだ正面から戦って返り討ちのほうがマシだったよ!

>シン 様
>アトラスパロ
私もパロ自体は別にいいかな、という気分になってきたのですが、
それはそれとして突っ込んでおくべきかと思いましてw

ハンターはやっぱり今回の連載期間では完結しないですかね…。
再開時に「10週」とは書いてなかったからもう少し続くことを期待したいのですが。
…無理かなあ…。

>ムクロン 様
2人と言わず4人とも××でしまえばナルト世界はなりそうですね。
…き? 誰のことでしたっけ…?(本気で思い出せない)
by 常磐 (2010-03-03 23:30) 

締切

バ バカな あれは…‥

ヤツら同調(シンクロ)しやがった
by 締切 (2010-03-04 13:07) 

常磐

>締切 様
プロのジャンプ作家たるもの、同調できねば世界とはわたりあえん!

しかし久保師匠と冨樫先生がフュージョンしてる姿はみたくないww

by 常磐 (2010-03-05 20:27) 

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